Colla:J コラージ 時空に描く美意識

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麗春 2021 https://collaj.jp/ 今月はTIME&STYLE吉田安志さんのお誘いで、兵庫県・姫路の革産業を取材しました。姫路といえば姫路城ですが、姫路市周辺は、国産革の8割以上を生産する革産地です。家具用革を扱う川善商店・川北芳弘さんの案内で、吉田安志さん、北海道旭川の作田畜産・作田清治さんとともに、公開されることの少ない姫路の皮革メーカーをめぐりました。 「世界遺産ラスコー展」クロマニョン人の復元模型(C)SPL Lascaux international exhibition 人と革の関係は深く、4〜1万年前のクロマニョン人は動物の皮をなめし、革をまとっていたといわれます。革は寒さや怪我から肌を守り、安心な暮らしから装身具を作ったり絵を描いたりと人間らしい文化が育っていきます。革は文明の揺り籠と言えるかもしれません。皮なめしとは、動物の皮の柔らかさを保ったまま腐らなくする技術です。落ち葉の溜まった水たまりで、皮(コラーゲン)が腐らないまま残った様子を見て、古代人は皮なめしの原理を学んだと考えられています。▲白なめし革を使った姫路革工芸の名工、名定一呂氏作の文庫。姫路市書写の里・美術工芸館に展示されています。 姫路城の西側を流れる市川では「白なめし」という独特の方法で皮をなめしていました。川に生皮をさらし毛を抜いてから菜種油を揉み込みます。川の成分が皮と反応し、腐らなくなる効果を発揮したと考えられています。姫路は皮なめしに不可欠な豊かな水と海の塩を備え、戦国時代から革の産地として知られました。城下町には革細工師が暮らし、参勤交代の大名たちも姫路を通る際に文庫や硯箱、武具、馬具、たばこ入れなどを城下で買い求めていました。 姫路市の高木地区、御着地区には、100社以上の製革メーカー(タンナー)が操業しています。高木地区の「きたなかコーポレーション」は、70年ほど前にバンドナイフを得意とするメーカーとして創業。今は皮なめしも手掛けています。工場内で、作田畜産の作田さんに嬉しい再会がありました。旭川から出荷した牛の原皮が工場に届いていたのです。作田畜産では屠殺した牛の皮を数分のうちに処理し、バクテリアの活動を抑えるため20分以内に塩蔵。トラック輸送を気温の低い夜間に行うなど、フレッシュな状態で姫路へ輸送する工夫を重ねています。 最初に見学したのは《フレッシング》と《マシンスプリッティング》の工程です。塩蔵された原皮は、塩を抜き水分を戻してから、石灰などの薬品を使い毛を抜かれます。次に皮下脂肪などを取り除く《フレッシング》を行います。※製革の工程は、条件によって異なります。記事で紹介するのは一例です。 一枚50kg以上の生皮を持ち上げる《フレッシング》は大変な作業です。2台のフレッシング機で、半分ずつ脂肪を取り除きます。1台目が処理するとコンベアで2台目に送られます。 《マシンスプリッティング》は、革の品質を左右する重要な工程です。靴、バッグ、家具、グローブなど用途に合わせ、数ミリの厚さに革をスプリッティング(分割)していきます。 ▼ バンドソーは作業中も常に研磨され、切れ味が保たれます。 バンドソーで2枚に分割されたホルスタインの皮を見ると、コラーゲンの塊であることがよく分かります。表側「銀面」は革製品に、裏側の網状層「床面」は工業用グローブやコラーゲンの材料にもなります。スプリッティングの均一性は最終製品にまで影響を与えるため、経験と技術が求められる仕事です。 スプリッティングされた皮は、《一次なめし》の工程に移ります。工場には巨大な木製のドラムが並び、そこに皮、水、薬剤などを投入して回転させることで皮をなめしていきます。 ▲ 工場の排水は、高木前処理場で一括処理されています。 皮なめしの方法には、主に「クロムなめし」と「植物タンニンなめし」があります。1850年代にドイツバイエル社で開発されたクロムなめしは製革に革命をもたらし、しなやかで丈夫、伸びにくく耐熱性の高い革を安定的に量産できるようになりました。一方、従来からの植物タンニンなめしは、ケブラチョ、ミモザ、クリなどタンニン成分の多い木の粉を利用する方法です。なめすと厚さが膨らむのが特徴で、樹種によって風合いや色が異なってきます。 クロムなめしされた革は「ウェットブルー」と呼ばれる薄いブルーになります。 ▲きたなかコーポレーションの北中秀和さん。 ▼ドラムの内側には、ダボ(突起)がついています。 3代目の北中秀和さんがいま力を入れているのは、ドラム設備の近代化です。蒸気ボイラーのついたイタリア製ドラムを導入することで、ユーザーの細かな希望に応えるとともに、四季を通じて安定した品質の革の生産を目指しています。現状の木製ドラムは水温変化の影響を受けやすく、水の冷たい時期はドラムの回転数を上げて摩擦熱で水温を上げていました。より細かな温度管理を行い、質の高い日本産の革(ウェットブルー)を作ることで皮革業界に貢献していきたいそうです。 四季のオルガンあくびしたおおきなパイプの Vol.22 くち あけた 原作: タカハシヨウイチ 寧江絵 : タカハシヨウイチ のぞいてやれと春の風っこパイプのなかを すべっていった 空港物流の未来をになう 《自動運転トーイングトラクター》 -ANAと豊田自動織機 羽田初の実証実験。 プロジェクトの責任者ANAオペレーションサポートセンター長兼空港センター長 要海昌樹さん(左)と豊田自動織機トヨタL&FカンバニーR&Dセンター長 一条恒さん(右)。 コロナ禍の前、羽田国際空港の発着回数は年間40万回以上、一日あたり1200回に及びました。さらなる増便のため2020年3月からは都心上空を飛行する羽田新航路の運用も始まりましたが、その一方で「グランドハンドリング」と呼ばれる地上支援業務の手不足が深刻です。手荷物やコンテナ載せたドーリーを牽引する「トーイングトラクター」も運転者不足に悩まされてきました。そこでANAは豊田自動織機と協働して自動運転トーイングトラクターの実証実験を佐賀空港、中部国際空港などで続けてきました。今回は羽田空港で初めて実証実験が行われ、その様子がプレス公開されました。 豊田自動織機が開発した自動運転トーイングトラクターは、電動トラクター「3TE25」をペースに、羽田空港の厳しい環境に耐えるよう性能を強化しています。海上のD滑走路から貨物倉庫までは4kmも離れ、橋には大きなアップダウンがあり、制限速度15km/時で走ると往復1時間ほどかかるそうです。それを自動運転(無人化)できれば、人手不足の解消に大きく貢献します。実証実験は自動運転「レベル3」で行われるため、ハンドルから手を離した状態で乗員が乗り込んでいました。 ドーリーを6台牽引。路面パターンマッチング用カメラはアスファルトの模様を記憶し、走行位置を特定するそうです。 巨大な航空機が出入りし、目標物の少ない広大な空港で自動運転「レベル3」(すべての自動運転を実施するが、運転者の介入が必要)を実現するためには、自分の位置を正確に把握する必要があります。複数の3D-LiDAR(走行空間センサー)や路面パターンマッチング用カメラ、高精度衛星測位用アンテナなどを備え、常に位置を把握し障害物を探知することで、走る、曲がる、止まるを正確にこなす自動運転を実現していました。 キャノピーがポリカーボネート製になり、視界がよくなりました。 これからの課題が見えたのは、駐機した飛行機の脇から道路に出るシチュエーションでした。沢山の車両が行き来するため、距離を見極めタイミングよく合流する必要があります。単独のセンサーでこれを実現するのは難しく、運転者不在の自動運転「レベル4」を実現するためには、空港全体の車両位置を管理する上位システムが必要になるようです。空港の敷地は各国のエアラインや様々な業者が共用しているため、その協調性が自動運転化の鍵になると思いました。 「グランドハンドリング」の自動化は、自動運転空港内バス、手荷物の自動組付け、リモコン式航空機牽引機器、ボーディングブリッジの自動着脱など各分野で進んでいるものの、繁忙期は人海戦術に頼るのが現実です。羽田の国際競争力強化のためには、旅客機を増便する前に、質の高い地上支援業務の体制を整え、出発着の定刻を守り、手荷物の受け渡しやステイタイムの時間短縮をはかることが不可欠です。新航路によって強硬に増便をすすめれば、そのしわ寄せはグランドハンドリングにも及ぶでしょう。 今年の1月アメリカで刊行直後から売れ始め、またたく間に健康 分野でベストセラーの座を獲得した本がある。著者は脳神経外科医 のサンジェイ・グプタ氏(1969年デトロイト生)。書名は私な りに訳せば『シャープな頭脳を保つ秘訣』(未邦訳)。歳を経ても認 知症やアルツハイマーにならずにシャープな頭を保つためには、ど のような点に気をつけるべきか。現代医学の最先端で判明している 様々な事実を広く一般向けに紹介する一方で、認知症予防のための「具体的な暮らし方の指針」を提示している。本書を読むと、今ア メリカのシニア層が、認知症予防のために、こんな感じの指針を頼 りにし始めている、ということを知ることができる。そしてそれは そのまま、現代アメリカ社会の一断面を知ることに通じている。 著者は医師でありながらも、CNNテレビの医療分野担当記者として活躍し、メディア登場の機会も多い、アメリカでは名の売れたドクターだ。大病院勤務はもちろん、イラク戦線やホワイトハウスなど、多様な臨床現場を経験している。その氏名が暗示するように、両親はインド系の移民初代で、共にフォード自動車の社員。母親は同社初の女性専門技術者であったというから、その優秀さが想像できる。「今回のコロナ禍を予告した」と言われる映画『コンテイジョン』(2011年)にも出演。その華やかな活躍ぶりを反映してか、本書には多様な分野の著名人から推薦の言葉が寄せられている。その中に世界の医療水準向上に多大な労力と資産を注ぎ込む富豪で読書家のビル・ゲイツも含まれる。 本書はアルツハイマーと認知症に関連する多数の論文を分析し、著者自身の豊富な臨床経験と併せて、各説の是非を慎重に判断。そこから一定の方向性を見出して、認知症予防のための「生活指針」を提示している。今回はその中から、日常の食生活に関連する部分をご紹介したい。皆様御存知のように「こんな食品が認知症予防に効く」という話題は、百家争鳴。炭水化物・動物脂質・スーパーフード等々からワインやコーヒーに至るまで、それぞれについて功罪様々な説が入り乱れて主張されている。この混乱した現状に対する著者の基本姿勢は明確だ。要約すれば「現状では、食べものとそれが脳の働きに与える影響について、総合的に明確に説明できるような研究結果は、いまだほとんど存在していない。」ということに尽きる。この基本的な立場から、あくまでも「ここまでなら指針として掲げても間違いないだろう」という、抑制的な姿勢で指針が示される。その結果、常識的な内容の指針が大半だが、中には「こんなことに気をつける必要があるのか」というものも含まれている。その指針の適否については、皆様それぞれのお立場でご判断下さい。基本的に米国の中高年〜シニア向けに書かれた本であり、我が国の食文化や生活習慣とは異なるところもあるため、気になる点について、私(大原)なりの意見を《註》として付した。以下、本書第7章「思考の糧(かて)」末尾に掲げられた指針を中心にご紹介していこう。 ■食事の際に使う食器は、できるだけ小ぶりのものにして、食べる量は少な目に。《註》食事は「ひと皿に料理あれこれ山盛り」という米国家庭が多いゆえの指針か。小皿料理なら少食になるかと言えば、日本的感覚では「?」ではないだろうか。飲茶の小皿だって数をこなせば……。食器の大きさよりも、米国の食品スーパーで売られている食品一品ごとの量の多さの方が問題ではないか。バケツ大のアイスクリームやポップコーン、枕のようなポテトチップス、巨大なステーキ肉や数キログラムのロースト用肉塊等々。 ■少なくとも週に一度は魚介類の料理を……。《註》米国でも内陸部は特に、一般スーパーで魚介類の入手は冷凍中心で種類も極めて限られる。中国人やベトナム人が多く住む地域だと例外的に魚介類充実のスーパーがある。それでも刺し身なんて、まず無理。流通経路が確立されていない。イカ・タコはもちろん、サバやイワシの鮮魚なんて「スーパーで見たことない」(生まれてから一度も)という人々が内陸部ではほとんどだと思う。例えばオクラホマ州では「海を見たことがない」という人々が、冗談抜きで、珍しくない。但し、沿岸部の大都市ニューヨークなどだと、金に糸目をつけなければ、一般人でも状態のいい鮮魚入手可能な店がある。 ■塩分の多い食品は避ける。市販の加工食品を購入するときは、成分表示にきちんと目を通して、含まれる塩分に要注意。パン、缶詰スープ、調理済冷凍食品などは、かなり塩分が高い。 ■冷凍食品でも、野菜や果物など素材の冷凍食品は、塩分含有量が少な目で栄養価も高い。 ■野菜の色に着目し、できるだけ様々な色の野菜を試してみるのもいい。そうすれば、自分の料理の範囲も広がる。《註》野菜の色はその野菜の素性(栄養特性等)を象徴する場合が多い。 ■(塩の過剰摂取は大敵なので)料理で「もうひと塩ほしい」という時には、塩の代わりとして、酢、レモン汁、香草ハーブ類やスパイスを使って風味を立たせる工夫を。 ■スパイスミックスを利用する場合は、その成分に含まれる塩分量に注意。《註》日本であれば、カレーやシチューのルウ、麻婆豆腐や青椒肉絲の素、といった「補助調味料の塩分に注意」ということか。 ■料理に使う油は、ヴァージン・オリーブ油やサフラワー(紅花)油等、不飽和脂肪酸の含有率が低い油を選ぶべし。《註》本文では、この他に、キャノーラ油やゴマ油も挙げられている。だが、この両者はエキストラ・オリーブ油や紅花油に比較すると、数倍以上のトランス脂肪酸が含まれるのがふつうだ。その含有率が特に高いのが、一般に「サラダ油」と表示される安価な混合油であることをお忘れなく。「市販の揚げ物に要注意」と言われるのは、このトランス脂肪酸(特に体に良くない部分水素脂肪酸)を多く含む工業製品化度の高い低価格油が使われるものが大半だからだ。加えて、調理段階で経費削減のため油を変えずに大量に揚げ続けることで、劣化した油の成分が揚げ物に残ることも問題だ。 ■トランス脂肪酸(悪玉コレステロール増加の一大要因)のうち、特に油脂の加工精製過程で生じる「部分水素脂肪酸」《註》は摂取を避けるべし。全体としてその使用は減少傾向にあるが、それでも多くの加工食品では今も含有率が高いものがある。たとえば、ドーナッツ、クッキー、ケーキのような焼き菓子、冷凍ピザ、など。またマーガリンやパンに塗るスプレッドなども同様。悪玉コレステロールが増えると、心臓疾患、卒中、糖尿病等の原因となる。《註》「部分水素脂肪酸」と言われても何っ?ですよね。ここは特に中高年&シニアの健康維持には大切な要素なので、ネットで検索してみるべき。例えば、農林水産省(日本)のネット資料「食品に含まれるトランス脂肪酸の由来」では、「部分水素脂肪酸」について次のように解説する。「部分的に水素添加された油脂を用いてつくられたマーガリンやファットスプレッド、ショートニングや、それらを原材料に使った菓子類などの食品、部分的に水素添加された油脂で調理された揚げ物などに、トランス脂肪酸を含んでいるものがあります。」なるほど。だがここは「トランス脂肪酸を含んでいるものが『多く』あります」というのが実情に近いのではないか。そして、ここには書かれていないが、「部分水素脂肪酸が含まれる食品は、悪玉コレステロールを増加させる誘因となるので、その摂取は控え目にするようご注意下さい」とひとこと注意書きがあれば親切なのに、と感じた。「自身の健康は、お上に頼らず、自身で守る」食の安全に関して我々は、これまで以上に情報の選択に気配りする必要がありそうだ。 ■できる限り料理は家庭で作ること。そうすれば、自分の手で、問題の多い砂糖・塩・油脂の使用量をきちんと調節できる。そのほうが市販の調理済み食品を買って食べるよりも、ずっと好ましい。           →次回へと続く。 牛の品格 革は自然のものであるだけに、一枚、一枚品質が異なり、牛が生きた環境、年齢、性格などが革に現れます。TIME&STYLEの吉田安志さんは、以前から天然木のトレーサビリティを追求し、北海道産天然木の利用を進めてきました。続いて挑戦しているのが革のトレーサビリティーです。作田畜産や川善商店とコラボレーションして、産地や製造方法の明確な革づくりを目指しています。革の保管・物流を担う山口運送にて、作田畜産の原皮を使ったウェットブルーの検品を行いました。 ホルスタインや黒毛和牛が、国産革の原皮になります。 国産革の原皮は、ホルスタインや黒毛和牛が精肉になる際の副産物です。酪農にとって国産革の生産は、重要な役割を担っています。 ホルスタイン ヒトケ F1 ホルスタインのオス(去勢牛)は、 黒、茶など単色の牛。 ホルスタインと黒毛和牛の掛け合わせなど、 生後 20カ月ほどの若い牛が多く、 肉牛として生産され、代表は黒毛和牛。 肉牛を飼育しやすくしたタイプ。 革が大きくしっかりしているため、 去勢オスとメスがあり、 去勢オスとメスがあり、 ソファ張りに向きます。 ホルスタインに比べ、 革はホルスタインと肉牛の メスはオスに比べ革が柔らかく、サイズも小さいです。 革はしっかりしています。 中間的な性質になります。 北米の牛 ヨーロッパの牛 バーベキュー大国アメリカは革の大生産地で、ステア北米に比べ飼育年数の長い成熟した牛が多く、(単色牛去勢オス)、デイリーステア(ホルスタイン去ブル(去勢しないオス)、カウ(メス)と呼ばれ、勢オス)などの革が日本に輸入されています。繊維のしまった革が特徴です。子牛(カーフ)は最高級の革として、高級ブランド品に使われます。 ウェットブルーは人の眼で欠点を確認し、A・B・C・Dにランク付けされます。傷やシミの原因は、ダニの跡、木の枝や柵の傷、血管、糞の跡など様々ですが、屠殺から塩蔵までの時間、輸送方法、保存状態にも左右されます。質のいい革の産地はヨーロッパ、カナダなど緯度の高い地域が多く、気温や湿度の低い北海道の牛も肌質が非常にいいと川北さん。今回検品した作田畜産の原皮からは、ソファ張りに適したAランクの革が沢山とれたそうです。  北海道産革の家具 川善商店が扱う北海道産革を椅子張りした、TIME&STYLEの一例です。 革張りの上質感を楽しめる Leonardo swing lounge chair。新作 The Suite room 。革をつなぐステッチがフォルムを引き立てます。コルビュジエの名作「LC2」をオマージュ。たっぷりした革のボリュームを味わえるソファ。 革の《絞り》、《シェービング》工程を専門に行う高田シェービングは、姫路の「御着地区」にあります。御着は靴や草履、ベルトなどに使われる厚皮の産地として知られていました。絞りの工程では、水を含んだウェットブルーを「サミングマシン」に通し、含水量を30%前後に調整しながら革を伸ばします。家具、靴、バッグ、工芸品といった用途により、最適な含水量や伸ばし方は異なり、ソファ、椅子張り用の場合は使用中にヘタらないよう、よく伸ばしておくそうです。 同社が世界レベルの技術をほこる、シェービングの工程。革の裏面を剃り、厚さを0.00ミリ単位で調整します。裏面の美しさは表面にも大きな影響を与えるため、とても重要な工程です。代表の高田徳行さんは世界一美しい革の裏面を目指し、イタリアの機械メーカーを直接訪問して本場の革づくりから多くのことを学び、工場に活かしてきました。 ▲ 高田シェービングの高田徳行さん。 ▼マイクロメーターで厚さを確認しながら進めます。 革の裏側を剃る螺旋状の刃物。美しい剃り跡を生み出すため、刃物の研ぎや調整は自社で行っています。革は腹や臀部で密度が異なり、均一に見せるためには刃物の切れが重要になります。日本の繊細な感性が本場を超える技を生みます。 高田シェービングの新工場が完成し、イタリアから導入したサミングマシンのセットアップが進められていました。工場全体を眺められるオフィスには、TIME&STYLEの家具が置かれていました。 【 EUの H2(水素)循環社会への取り組み 】 2019年は EU(欧州連合)主要機関の首脳が入れ替わった年で、EU史上初めての女性委員長が誕生。2024年10月末まで、ウルズラ・フォン・デア・ライエン(ベルギー・ブリュッセル生)新委員長が EUを率いています。この 5年間の優先課題 6項目のうち、一番目が「ヨーロッパのグリーンディール (European Green Deal)」で、「ヨーロッパは近代的で資源効率の高い経済になり、気候に中立な最初の大陸(Climate-neutralContinent)になる」ことを目指しています。EU成長戦略「ヨーロッパグリーンディール」には、全ての製造分野において気候と環境に関する課題をチャンスに変えるという欧州委員会の決意のもと、2030年の GHG(温室効果ガス)削減目標の引き上げ、必要な法制立案整備、対象となる産業や投資額、その手段等、具体的な行動が明示されました。 「ヨーロッパグリーンディール」は目標達成のための「ロードマップ」と呼ばれ「経済や生産、消費活動を地球と調和させて人々のために機能させることで、GHG排出量の削減に努め、雇用の創出とイノベーションを促進する」と、EUが目指す今後の方向を強調しています。構想と実現に向けた骨格が確かですね。 EUは昨年7月「EU水素戦略 (EU Hydrogen Strategy)」を発表しています。水素を活用し、どのように脱炭素化の実現を目指すのでしょうか。EUが重視しているのは「再生可能な水素(renewable 欧州グリーンディールを発表したフォン・デア・ライエン委員長 © European Union, 2020 / Source: EC . Audiovisual Service / Photo: Jennifer Jacquemart hydrogen)」の利用です。風力発電や太陽光発電の再生可能エネルギーで電解装置を運転し、水(H 2O)を電気分解することで「再生可能な水素」がつくられます。これが先月号で述べた「グリーン水素」です。しかし全ての水素を一気に「グリーン水素」化することは出来ません。既存の水素製造を極力クリーン化することで、短期にCO 2排出量削減を目指します。移行段階では、水素製造過程で出てくる CO 2を回収・貯留して実質ゼロ(ブルー水素化)を 実現したり、発電過程で低炭素化された電力で製造された「低炭素水素」等もその役割が認められていますが、100%グリーン水素を目指すドイツは難色を示しているそうです。 「EU水素戦略」は極力クリーンな水素を活用したエネルギー政策で経済(水素経済)を発展させるべく、3段階の発展を想定し、産業部門ごとに異なるペースを設けています。投資額も膨大です。今後10年間で官民合わせて1兆ユーロ(120兆円!!=1ユーロ120円換算)の投資を目指しています。 ■ 第1段階(現在.2024年) EU域内で 6GW(原子炉約 6基分)の再生可能な水素製造キャパシティー(電解装置の能力)を生み出す。最大 100万トンの「再生可能な水素」の製造。 ■ 第2段階(2025年.2030年) EU域内で40GW以上の再生可能な水素製造キャパシティーを持つ電解装置導入。最大 1,000万トンの「再生可能な水素」の製造。 (ちなみに日本は 2030年までに 30万トンというレベル)鉄鋼生産、化学工業での水素使用。重量が重いバス、トラック、海上輸送船舶、鉄道など新しい産業部門での活用 (二次電池では大容量の電気を賄えないため、燃料電池で 隣接した風力発電機により、100%グリーン水素を供給するベルギーの水素ステーション。 世界初の燃料電池列車コラディアiLint(フランスアルストム社)。日本ではJR東日本が燃料電池式ハイブリッド車を試用中。 の発電が必須)水素製造が EU域内の利用者や再生エネルギーの近くで製造されること。 ■ 第 3段階(2030年以降) 「再生可能な水素」製造技術の成熟により、CO2削減が困難な全ての産業部門での水素利用。 【 ドイツの「H2(水素)循環社会」への取り組み 】 ドイツは 2020年 6月「国家水素エネルギー戦略 (Nationable Wasserstoffstrategie)」を閣議決定しました。2011年 3月11日に発生した東日本大震災の大津波による原発事故を受け、いち早く国家として原子力発電撤廃を決めたことは記憶に鮮明です。今回もドイツは新しい判断、要素を加え、メルケル政権は「経済の脱炭素化」を推し進めるため、水素エネルギー関連技術の先駆けになるという目標を打ち出しました。経済エネルギー省のペーター・アルトマイヤー大臣は「水素はエネルギー転換を成功させる上で重要な鍵となる。ドイツではその技術が成熟しつつあり、水素には価値創造、雇用、気候保護のための潜在力が秘められいる。我々はそのパワーをフル活用し、世界ナンバーワンになることを目指す」と語りました。また環境大臣のシュルツ氏は「水素エネルギーは二酸化炭素削減に役立つだけでなく、コロナ危機からの回復という観点でも。ドイツにとって追い風を与えるだろう」と発言しました。 《ドイツの閣議決定》 ■ 90億ユーロ(1兆800億円、1ユーロ円換算)の予算を計画し、水(H 2O)電気分解施設建設及び水素輸入体制構築にむけて、重工業や輸送のエネルギー源である重油、コークス、ケロシン(灯油やジェット燃料類)等の化石燃料系から水素へ切り替えることで、気候変動の原因である CO 2の大幅削減が見込める。 ■「再生可能な水素=グリーン水素」による CO 2排出ゼロの電力作り。 ■ 水素輸入を促進する。2030年に目標であるグリーン水素の製造量を達成しても需要量に届かず、輸入が必要になると予測される。発展途上国で作られたグリーン水素を輸入することでその国の経済振興にも寄与。 ■ 電力不足時、貯蓄水素を電力に変えて供給する「パワー・トゥ・ガス」技術の促進。 【 日本の「H2(水素)循環社会」への取り組み 】 世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」。オーストラリアで製造した水素を日本へ運ぶ。 昨年 10月 26日、菅総理は所信表明でこう述べました。 「菅政権では、成長戦略の柱に経済と環境の好循環を掲げて、グリーン社会の実現に最大限注力してまいります。我が国は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち 2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会に実現を目指すことをここに宣言いたします。もはや、温暖化への対応は経済成長の制約ではありません。積極的に温暖化対策を行うことが、産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるという発想の転換が必要です。(後略)」先進国の中で、時間切れ寸前ギリギリの宣言でした。表面だけ繕う前政権からの交代があったので間に合わせたのでしょう。経済産業省の資源エネルギー庁 新エネルギーシステム課/水素・燃料電池戦略室が 2020年11月に出したレポート『今後の水素政策の検討の進め方について』では、「カーボンニュートラルを目指す上で不可欠な、水素、蓄電池、カーボンサイクル、洋上風力などの重要分野について、具体的な目標年限とターゲット、規制標準化などの制度整備、社会実装を進めるための支援策などを盛り込んだ実行計画を年末を目処に取りまとめてまいりたいとあり、 ■これまでは、2050の技術確率を目指して検討を進めてきたが、今後は 2050年社会実装に向けて検討を加速してゆく必要がある。 ■また、エネルギー分野での検討などとも連携し、各種の計画に反映させていく、と書かれています。これが日本の指導的立場の方々の認識です。本当に情けない話ですが、マラソンで例えるなら他国は10km先を懸命に走っています。日本はランニングシューズすら履いていないのかもしれません。あまりの危機感の落差に言葉もありません。 フラットバーの上に座面が浮いたように見える「Aquariussofa」が、窓外の新緑に映えます。円形のスツール兼テーブル「Oke」は、桶づくりの職人によって吉野杉から作られています。 数ある新作のなかで特に目をひいた「Tanazushi」。正倉院に収蔵された1300年前の棚厨子を研究し、当時のままのサイズと構造を表現しています。クサビを使ったノックダウン式で、現場で素早く組み立てられるそうです。王朝時代の大陸的な合理性のなかに、日本の風土で育まれた美意識の萌芽を感じます。 高床式建物から着想された「Kura」は、側板をなくした柱構造のシェルフです。4面が透けていて、縦繁格子の扉を通して収蔵物のシルエットが見え、その先の景色までを楽しめます。空間のつながり方、仕切り方に、新たな可能性をもたらしそうです。今回の新作の多くには北海道産の天然木、革をはじめ、全国各地の材料、伝統技術が使われていて、様々な手仕事の積み重ねが伝わってきました。 ドラゴンシリーズ 79 ドラゴンへの道編吉田龍太郎( TIME & STYLE ) 人類失格 初めに上手くいくと思った時は、物事はなぜか上手く進まな い。初めマズイぞと思って悩んだり迷ったりしているような時 は意外にも物事は上手く進んでゆく。物事なんてのはそう簡単に先は読めない。そんなものだ。不思議なものだが人生で繰り返す法則のようだ。この こった出来事を 年後、いや100年後の人々がどう振り返り、 そしてどう評価し記録することになるのかは分からないし、どこの誰にも知ることはできまい。 今は今ここで起こっていることで、人々の精神は塞がれ状況を正確に捉えることなどできない。田舎の隅々まで人々がマスクをして歩いているような社会は不思議なようだが自分の身の回りに限ったことではなく、大陸や緯度、時間や距離に関係なく世界の隅々で同時に起こっている現実であり真実だ。世界中でこんな共通の苦悩を同時に経験し、その状況を同時に共有することなどこれまでの長い人類の歴史でもなかっただろう。 しかし人類が経験していることは病気と苦悩だけではない。これまでに何度も人類が突きつけられた人間の存在に対する認識が問われている。 この事象が発生してからの 年の時間の中で、様々な人間の 根源的な変化が様々な場所で数えきれないほど起こっている。それは人種差別の問題であったり、貧困や格差の問題であったり、性的な問題であったり、政治的な問題、宗教的な問題であったり、潜伏していた人間の根源的な憎悪と欲望が顕在化し、不安な社会にさらに不安定な状況が追い討ちを掛けている。 感染者の数や重症者や死者が増えつづけ、その対処法を議論する日々を重ねるなか、私たちはそのような状況下で潜在的、根源的に繰り返してきた歴史の本質を露呈し始めているように感じる。価値観の転換が操作されるように行われ、数の論理のごとく着々と軽薄な悪意が気づかれないまま噴霧状に大きく拡 10 1 1 年間に起 散され、社会の価値観の色を変えている気がする。薄められたイエローがさらに噴霧になって空中に舞い、少しづつ色を重ねてゆくように静かに落ちてゆき着々と世界は軽薄な色へと導かれている。 開発されるであろうと言われた薬は自国では開発できず、他国の生産に依存せざるを得ない中で、高度医療先進国という自負や期待は失われ、本当の姿が見えてしまう。そして開発が進んだ国々には薬が施され社会も回復へと向かいつつある中、その薬の製法が共有されることはないし、誰も疑問に思わない。 その間、多くの国々で苦しむ人々や死者は増え続けるが、その開発した製法を開示して各地で生産するような方向へ事態は進まない。世界で死者が増え続けても、その薬の製法を開示する人間愛は既得権益や利益と言った欲望に勝つことは未だできていない。 この世界を同時に襲う苦悩は、これまで人類が進んできた軽薄な富や欲に対する警告であり啓示なのかもしれない。人間がマズイと思うことが世界で同時に起こり、多くの人々や社会活動が混乱するように全てが同じようなスピード感で世界中に蔓延し私たちを恐怖に陥れてゆく。 この大きな世界を苦難が襲い、どのような国や人種、貧富にも関係なく人類が同じ課題に向き合うことは戦後私たちが初めて世界中で同時に共有している問題であり、人類への宿題なのだ。そして課題の根源である人間としての存在が問われているのではないだろうか。 大きな地球、自然、植物、動物、そして人間の存在のあり方の根本を見つめる時に私たちは来ているのかもしれない。100年後に人類が振り返った時、2021年が大きな人類の精神繁栄への転換期の年として記録されているかもしれない。しかしまた逆の方向に向かう破壊への転換点になっているのかもしれない。初めに私たちはこの状況はすぐに克服できると思ってきた。私たち人類は軽薄だった。この時代を100年後、世界はどう記録しているのだろうか。 ▲ 森本尚製革所の森本憲二さん。 高木地区の森本尚製革所は、革の《2次なめし》を得意としています。2次なめしとは、シェービングを終えたウェットブルーに「染色」、「加脂」などを行い、革の風合いを作り上げていく繊細な仕事です。皮なめしには主に「クロムなめし」、「植物タンニンなめし」がありますが、クロムなめしした革をタンニンなめしすることで、耐久性や柔軟性に優れたクロムの機能をもちながら、タンニンのナチュラルな風合いをあわせもつ、ハイブリッドな革を作ることができます。 染料やタンニン、油脂などを最適な分量、タイミングでドラムに投入しながら、ユーザーの求める色や質感、機能をもつ革をつくります。側面を透明にしたドラムは染色の試作用で、見本に合わせた色を確認するために使われます。チェストの植物タンニン(上)やクロム(左上)、合成タンニン(右上)のほか、合成油脂、植物油脂、動物油脂を加えます。革の重量にあわせ正確に計量することが大切と森本さん。油脂によってしなやかになり、裂けにくい、伸びにくいといった様々な機能を加えられます。このレシピには各社色々なノウハウがあるそうです。2次なめしの後は、最新の「セッティングマシン」で水分を調整しながら革を伸ばします。革は乾燥ラインに吊るされ、工場内をゆっくりと流れ時間をかけて乾かされます。乾燥を急いでしまうと革はしなやかさを失ってしまいます。 乾燥を終えた革を見せてもらいました。この段階になると今まで見えなかった傷やシミがはっきり分かるそうです。この革は一頭分を背中で半分に割った標準的なサイズで、ソファ、椅子張り用には一頭丸ごとの革が使われます。塗装などの表面処理をまだ行っていないため、このままではすぐに退色、色落ちしてシミがついてしまいます。 怒ったり、叩いたり、なだめすかしたり、時には褒め称え、最後は懇願して、スイッチオンができたテレビもとうとうコンがついた。地震時の速報ニュースに待ったはきかない。50年テレビなし生活を実践する友人を真似て、なくてもいいかと1〜2日つけずにいたが、これは無理と撤回。 つけないのとつかないのでは大違い、朝の日課がテレビスイッチ ON.OFFの繰り返しで始まるのも情けない。買い替えを決めた。 家電屋さんには大型が多く並んでいる。色あざやかな映画やコンサートが映し出されている。買うなら思い切って大きいのと決断したが、家に帰って寸法を測ったら、相当大きいことがわかった。自分の背丈以上の横幅に驚き、テレビ台に自分が横たわっている姿を想像し、ぞっとした。 搬入日直前にひと回り小さいサイズに変更してもらった。が、決算月の売り上げマイナスは申し訳ない。差額分は他の商品をとあれこれ見て回った。家電屋さんの喧騒は得意ではない。ましてこの時期、ゆっくり店内を回る気にはならない。が、見ているうちにあれもこれもと欲しくなる。 家電は動いているうちは買い替えを考えないが、電化製品は10年くらいが寿命とのこと。動いているうちに交換するのがいいといわれても、そう簡単ではない。あれこれパンフレットを集めながら、目は1点に吸い寄せられる。 コロナ禍、高齢者の域に入った仲間たち、軟禁、自粛生活の中、散歩がてらに撮ったといういい写真が定期便で送られてくる。靄や朝露の向こうに春の花が咲いている。 桜の花びらをくわえる鳥もいる。なんとも素敵な写真ばかりである。いいなぁ、いつかはこんな写真を撮りたいものと思いながら、この春は桜を大いに楽しんだ。週末はお天気が良くなかったが、それでも今年は殊の外、桜も頑張 コロナうつ?解消 って咲いているようにみえた。 三分咲きから満開、桜吹雪と花筏、毎週のように花見を楽しみ葉桜までを携帯に収めた。満開時には多くの女性が本格的なカメラや脚立を持って撮影をしていた。中にはびっくりするほど大きなレンズを構えて、枝ぶりを撮っている人もいる。普段の花見時期ならこんな長いレンズを構えることはできないだろうと思いながら、プロのカメラマン?どんなカメラを使っているのか気にもなる。カメラを構える姿もなかなかかっこいい。 5年前に思い切って買ったカメラがあるが、まだ思ったような写真は撮れないでいる。ファインダー越しにいっぱしの構えはできるが、付いてるボタンを使いこなせなず結局いつもオート。素敵な写真を見せられる 3 と、いつか自分も腕を磨いて撮りたいと説明書を読み返すが、散歩がてらに持つにはいささか重く、仕舞いこんだままである。 目が吸い寄せられた場所はカメラ売り場である。あれこれ迷い、結局選んだのは軽くてボタンの少ないカメラ、自分の身体と技量にあったものだった。テレビサイズ変更のマイナス分は若干のプラス αで帳尻はついた。カメラの入った紙袋は久々のルンルン気分、コロナのうっとおしさを吹き飛ばす妙薬となった。 旅行にも行けず、友人たちと食事もできず、飛沫とぶおしゃべりなどはもってのほか、我慢我慢と言い聞かせ、スーパの買い物も日に1度、いい加減にせい!と言いたくなるが、ワクチンもまだまだ見通し立たず、踏ん張っていくしかない。ハナミズキもツツジも綺麗に咲いて待っている。息がつまらないうちにカメラを肩に出掛けて行くとしよう。 ソファや椅子張りの革には、一頭分の原皮をまるごとなめした「丸革」が求めらています。家具はパーツが大きいため、靴やバッグのように悪い所を避けて型取り出来ません。工場には丸革を塗装できる日本には数少ない塗装ラインがあり、塗装から乾燥までを短時間で自動に処理できます。これを5回以上繰り返し、染料、顔料、ウレタンコートを薄く塗り重ねます。表面仕上げには主に「アニリン仕上げ」、「顔料(ピグメント)仕上げ」があり、染料だけを塗布したアニリンは自然な風合いですが、退色や汚れに弱い仕上げです。一方、顔料は退色や汚れには強いものの、アニリンに比べ革の風合いは失われます。塗装以外にも、色々な仕様を選べます。上は「空打ち」と呼ばれる工程のドラムで、革だけを入れてドラムを回すことで革がほぐされ独特のシボが出てきます。右のイタリア製バイブレーションマシンは、平らな状態で革を金属で叩き柔らかくします。川北さんが追求しているのは、自然な革の風合いと機能のバランスです。最近では粒子が細かく発色がいい「マイクロ顔料」など、革の瑞々しさを感じさせながら退色や脱色の少ない新しい仕上げ方法も生まれています。 ▲ 光沢感のあるスムース仕上げ。 ▼ 革のシボを型押しで再現した仕上げ。 イタリア製の「ロールアイロンマシン」。ローラーで熱と圧力を掛け、スムース仕上げやシボ仕上げなど様々な表情を付けられます。革の表面にある「銀面」の状態は革のランクによって大きく異なり、ランクの低い革は厚い顔料や型押しで傷やシミを隠すことが一般的です。川北さんは国産の出来るだけ品質の高い革を集め、銀面本来の自然な表情を生かした家具用革の供給を目指す一方で、サスティナブルな視点から低ランクの革を活用する技術の開発にも取り組んでいます。 ヨーロッパの高級ブランド家具にも、顔料を厚く塗った革張りソファがあります。どのような革がいい革なのかを知り、適切に判断して欲しいと川北さん。原皮から革が完成するまでには20以上の工程があり、1カ月以上の時間を掛けて生産されています。国産革の生産過程を知ることで、革の魅力をよりひきだした家具が出来ると感じました。 ▲ AREA TokyoOutletはAREA Tokyo向かいにあります。 AREA Tokyo(東京・外苑前)の向かいに、アウトレット製品を扱うリアル店舗「 AREA Tokyo Outlet 」がオープン。同時にオンラインストア「AREA Tokyo Outlet online store」( https://www.area-outlet.com )も運営を開始しました。リアル店舗の1階は、主に一枚板のテーブルコレクションを展示。上質な無垢板を驚くような価格で提供しています。2階にはデスク、サイドボード、本棚、テーブル、ラグ、照明、雑貨などを展示。世界に一点しかない試作品やショップで使われていたオブジェもありました。ショップの展示品だったカバーリングソファは、自分好みの生地でカバーを新調し、新品同様にカスタマイズ可能。工夫次第でユニークな部屋のコーディネートを楽しめそうです。 アウトレットのオープンに合わせ、AREAはオリジナル製品の「下取・買取サービス」を開始。ユーザーから下取・買取した製品をクリーニング、リペアして「AREA TokyoOutlet」で販売するそうです。国連の定めたSDGs(持続可能な開発目標)の12番目では「つくる責任つかう責任」(持続可能な生産消費形態の確保)が謳われています。AREA TokyoOutletは、その達成を目指した取り組みのひとつであると感じました。 南風なれども K m 久しぶりに羽田空港に行きました。飛行機に乗る場所としか思ってなかったけど、今回はあるプレス発表に参加して厳重なチェックを受けて飛行場の中へ ……巨大な旅客機を間近に見てきました。出発時の轟音や作業車が行き交うなかでお勤めの方々には頭の下がる思いがいたします。 この機会にと、旧管制塔ビルにある東京航空局へ寄ってみた。リムジンバス乗り場から北に向かってズンズン歩いて行くと、狭い通路を抜けてビルに到着。警備員さんの居る受付で記帳して、エレベーターで環境・地域振興課に向かいます。とくにアポイントメントはとっていませんでしたが、若手の Sさんとさんが対応してくれました。ちなみに東京航空局は、現場の最前線で東日本の空の安全を守る国交省の機関です。 聞きたいと思ったのは、最近話題になっている 300以下のヘリコプター低空飛行のこと。毎日新聞が『特権を問う』というタイトルで米軍ヘリの都心低空飛行を その13 青山かすみ 本日、南風なれども 特集し、国会でもたびたび取り上げられました。わたしの関心は、ヘリコプターの飛行がどのように監視・管理されているか? それは羽田新航路の安全と大きく関わることだから。 新航路の運用時、都心上空には 時〜 時まで特別管制空域が設定され、 ヘリや小型機は事実上飛べなくなる。だから安全なんだと言われてきました。それを平気で破っているのが米軍ヘリ。おかまいなしにやってきて、旅客機とニアミスしながら麻布のヘリポートに着陸。住民はハラハラ。それだけじゃなく、最近は民間のヘリもどんどん飛ばしている。これってどうなっているの?と直接聞いてみたかったのです。 さんによると特別管制空域の中に入るヘリは全て、羽田空港の管制官と 連絡を取り合って旅客機と安全な距離をとっているそう。でも管制官からヘリは見えません。連絡を取らなければバレないわけね。それを監視する人はいるの?と聞くと、居ませんとのこと。道路なら警察が見張っているけれど、空を見張る人は居ないのよね。 「安全を守る法律の定めに、運行者が従っているから安全なんです」と言 さん。パイロットはみんないい人で、法律を守ってくれると信じる さんの思いに反して、実際のヘリはブンブン勝手に飛んでいる。空の安全 を守る立場にありながら、仕事サボってるんじゃない?  m 局は、航空法違反の 300以下の低空飛行を見ても告訴しないそうです。 空の上から都心を見下して仲間同士でかばい合う。東京の空は無法状態で あることをまず自覚しないと ……。コロナ禍の監視活動にかこつけて、警察、消防、そして米軍ヘリの縄張り争いが激化しているという現状です。国民の虐殺を企てる無自覚なテロリスト集団といわれても仕方ない行為だと思う。 S い切る S S 低空飛行するエス・ジー・シー佐賀航空(JA729A) 特別管制空域を飛ぶ消防ヘリ(JA71KT) 15 19 新行路運行時に設定される特別管制空域C : 300mを超え1,200m未満D : 200mを超え1,200m未満は飛べませんが、300m以下なら特別管制空域じゃないよという荒業もあります(低空飛行は事実上罰せられないので)。 低空飛行する個人所有機(JA130H) 国交省や東京航空 【 Webマガジン コラージは、オフィシャルサポーターの提供でお届けしています 】